ナチュログ管理画面 その他 その他 九州・沖縄 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2013年04月09日

No.064:皓礬錠

ようこそ大日本衛生資料室へ。 本日ご紹介する資料はコチラ・・・


資料No.064:皓礬錠
No.064:皓礬錠
   品名 : 皓礬錠
   製造 : 参天堂株式会社
   管理 : 陸軍衛生材料廠
   分類 : 陸軍衛生材料(目薬)
   年代 : 昭和19年(1944年)3月
   定価 : 支給品
   寸法 : 直径3.1cm、高さ6.3cm
   個数 : 2個

見張りで疲れた兵士の目を癒す「皓礬錠」です。

「皓礬(こうばん)」とは「硫酸亜鉛」のことで、
希薄溶液には「収れん作用(止血、鎮痛、防腐など)」があり、
目の炎症を抑えるので「点眼薬」として利用されているらしいです。

【2016年9月28日追記】 情報提供:移動野戦病院
 収斂作用があるのはその通りです。
 この皓礬錠は外用薬つまり水等に溶かし早期の淋病に用いられ内服薬で催吐剤としても用いられました。
 礬の漢字が付く薬効のある物質はまだ沢山ありますが、
 明礬・枯礬(焼明礬)緑礬・銅礬・鉄明礬・加里明礬・白礬・丹礬・赤礬・等
 皆それぞれその当時医薬品として丸薬錠剤軟膏や含嗽剤等に変えて患者さんに投薬されていました。


外用薬として早期淋病の薬、内服薬として催吐剤になるのですね。


製造元の「参天堂株式会社」の沿革は以下の通り。

明治23年(1890年)
   「田口謙吉」が、大阪北浜に薬商「田口参天堂」を創業。
明治32年(1899年)
   ヒット商品「大学目薬」を発売。
大正03年(1914年)
   「合資会社参天堂」として法人化。
大正14年(1925年)
   「参天堂株式会社」に改組。
昭和33年(1958年)
   「参天製薬株式会社」に社名変更。


管理元の「陸軍衛生材料廠」の沿革については詳細不明。

日本陸軍が使用する医療品を製造・調達・管理していた部署だと思います。
「本廠」「支廠」「出張所」などと言う表記を見かけますので、日本各地に存在したのでしょう。

東京都世田谷区にあった「本廠」跡には昭和21年に「国立衛生試験所」が移転。
「国立衛生試験所」は平成9年に「国立医薬品食品衛生研究所」へと改組され現在も同地にあります。



瓶と中身
No.064:皓礬錠
陸軍の検品印と、「参天堂」の製造印(画像撮り忘れ・・・)の二つが押してあります。

中身は白い錠剤ですが、これを水で希釈して点眼するのでしょうか?
それともそのまま服用するのでしょうか?


漢字が「旧字体」で書かれている、いわゆる「旧字体モノ」ですので、
昭和30年以前の品であると推測出来ます。

戦時中にも係わらず、横書きの文字が現在と同じ左から右に書かれています。
何故か「陸軍衛生材料」は、当時主流だった右から左に書く「右書きモノ」ではないのです。

軍用品ですので、戦前の品であると判断出来ます。

「昭和19年3月」のスタンプが押されているので、この品が昭和19年3月に製造されたと判断出来ますね。



この薬品に関する追加情報をお持ちの方は、
「コメント」または「メッセージを送る」から御教授下さい。

それでは、またのお越しを・・・



【室長日誌】
 もしかしたら以前にも書いたかもしれませんが、私の愛用目薬は「ロートZ!」です。


【関連リンク】
 参天製薬ホームページ
 参天製薬 - Wikipedia


【旧コメント欄】
 収斂作用があるのはその通りです。
 この皓礬錠は外用薬つまり水等に溶かし早期の淋病に用いられ内服薬で催吐剤としても用いられました。
 礬の漢字が付く薬効のある物質はまだ沢山ありますが、
 明礬・枯礬(焼明礬)緑礬・銅礬・鉄明礬・加里明礬・白礬・丹礬・赤礬・等
 皆それぞれその当時医薬品として丸薬錠剤軟膏や含嗽剤等に変えて患者さんに投薬されていました。
 パイル二等兵に告ぐ
 移動野戦病院長は自分や部下達の薬の解説をパイル二等兵が勝手に書き換えて載せ替えているが、
 盗作流用では無いかな?MP(憲兵)に引き渡したい気持ちで一杯であると。
 陸軍刑務所送りになると。それと載せ替える時に間違えが数か所生じているが......
                    Posted by 移動野戦病院 at 2015年02月28日 16:37


【当資料室の注意事項】
 ●ご紹介する薬品に違法な物は含まれておりません(・・・多分)。
 ●記載されている情報はネットで軽く調べた程度のモノです。
 ●薬の年代特定に関しては『レトロな薬の年代特定法』を参照して下さい。
 ●「旧字体モノ」「右書きモノ」などの「〜モノ」は私が勝手に名付けただけです。
 ●「陸軍衛生材料廠」の品を「陸軍衛生材料」としていますが、私が勝手に呼んでるだけです。
 ●米帝の薬品類は『パイル二等兵の露営日記』にてご紹介致します。


同じカテゴリー(陸軍衛生材料)の記事画像
No.129:アクリフラビン錠
No.127:トロムボゲン
No.121:等張糖液
No.120:ホブロール精
No.119:重曹錠
No.118:無痛ビタミンB1液1号
同じカテゴリー(陸軍衛生材料)の記事
 No.129:アクリフラビン錠 (2019-05-12 12:00)
 No.127:トロムボゲン (2019-05-01 12:00)
 No.121:等張糖液 (2018-01-01 12:00)
 No.120:ホブロール精 (2017-12-31 12:00)
 No.119:重曹錠 (2017-11-10 12:00)
 No.118:無痛ビタミンB1液1号 (2017-11-05 12:00)

Posted by パイル二等兵 at 12:00│Comments(0)陸軍衛生材料
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
No.064:皓礬錠
    コメント(0)