大日本衛生資料室

ようこそ大日本衛生資料室へ。　本日ご紹介する資料はコチラ・・・


資料No.029：チェリー（帝国議会議事堂竣工記念）

　　　　　品名 ： チェリー（帝国議会議事堂竣工記念）
　　　　　製造 ： 大日本帝国 専売局
　　　　　分類 ： FINE VIRGINIA CIGARETTES
　　　　　年代 ： 昭和11年（1936年）前後
　　　　　定価 ：不明 （10本入）
　　　　　寸法 ： 5.7×4.5×1.9cm

薬じゃないです・・・タバコです・・・「チェリー（帝国議会議事堂竣工記念）」です。

「チェリー」と言えば、昨年の震災で生産休止、そしてそのまま生産廃止になった銘柄ですが、
そちらは昭和45年（1970年）から販売された二代目「チェリー」です。

今回ご紹介致しますのは、明治37年（1904年）から販売された初代「チェリー」、
しかも「帝国議会議事堂竣工記念」モデルです。

「帝国議会議事堂」、現在の呼び名で言うところの「国会議事堂」が竣工されたのが
昭和11年（1936年）なので自ずと製造年が判断出来ますね。

初代「チェリー」はバージニア葉を使用した甘い味が特徴らしいですが、
名前を受け継いだ二代目が味も受け継いでいるのかは不明・・・

ところで当時の「一般流通品」と「記念モデル品」、どちらがレアなのでしょうか？
生産数で言うと「記念モデル品」の方がはるかに少ないでしょうが、吸わずに保存されている確率が高いので、
現存数で言うと「一般流通品」の方が少ないのかも・・・


製造元の「専売局」の沿革は以下の通り。

明治30年（1897年）
　　　　　　　葉タバコの専売に先駆けて、「大蔵省」が管轄する「葉煙草専売所」を全国61箇所に設置。
明治31年（1898年）
　　　　　　　政府が1月1日から葉タバコの専売を開始。
明治31年（1898年）
　　　　　　　「大蔵省」の外局として「葉煙草専売所」を管轄する「専売局」を設置。
明治32年（1899年）
　　　　　　　「葉煙草専売所」が廃止、それに代わり「専売支局」を全国56箇所に設置。
明治37年（1904年）
　　　　　　　政府がタバコ製造の専売を開始、それに伴い「専売局」を「煙草専売局」に改組。
明治40年（1907年）
　　　　　　　「煙草専売局」「樟脳事務局」「塩務局」を統合、新たに「専売局」を設置。
昭和24年（1949年）
　　　　　　　「専売局」は「大蔵省」から分離独立し、「日本専売公社」が発足。
昭和60年（1985年）
　　　　　　　「日本専売公社」は「日本たばこ産業株式会社」に専売権を継承させ解散。



外箱


金文字が高級感を漂わせていますね。　当時の｢チェリー｣は高級たばこだったのでしょうか？

この時期の記念たばこ全般に言える事ですが、
元のデザインを完全に無視した「記念デザイン」にしている所が残念です。
少しは「チェリー」っぽさを残した方が良いと思うのですが・・・



中身

銀紙に包まれた両切りたばこが6本入っています。（本来は10本入なので、誰かが4本吸ったんでしょう・・・）

巻紙には「CHERRY CIGARETTES」と印字されています。

余談ですが、たばこは「すう」ものではなく「のむ」ものらしいです。
「喫煙」は文字通り「煙を喫（の）む」と言う意味ですからね。

たまに年配の方が「たばこを喫む」なんて言ってるのを聞くと、「シブイな～♪」と思っちゃいます。



現在当資料室の「チェリー（帝国議会議事堂竣工記念）」の在庫数は１個（4本欠品）となっております。


それでは、またのお越しを・・・



※当資料室の注意事項
　　　●ご紹介する薬品に違法な物は含まれておりません（・・・多分）。
　　　●記載されている情報はネットで軽く調べた程度のモノです。
　　　●薬の年代特定に関しては『レトロな薬の年代特定法』を参照して下さい。
　　　●米帝の薬品類は『パイル二等兵の露営日記』にてご紹介致します。

【室長日誌】

私は非喫煙者ですが、昔からたばこのデザインが好きで外国たばこを中心に集めてました。
しかし今はもう現行品は集めていません・・・何故なら値上がりしたから。

注意書きが半分を占めるのも、デザイン重視な私としては頂けませんね。

と言うことで現在は戦前の「専売局」製造のたばこだけを集めてます。
（全然集まってませんけどね・・・）



【関連リンク】

JTホームページ
チェリー (タバコ) - Wikipedia
大蔵省専売局 - Wikipedia
国会議事堂 - Wikipedia



【旧コメント欄】

お久しぶりです、moncoです。
チェリー（桜）は高級品と親戚のじいさんが言っていたのを思い出します。
古い映画にもそんな台詞があったように記憶しています。
我が家の家宝でもある「恩賜のたばこ」もこのような薄々の銀紙に包まれていますので、
特別あつらえの品に間違いありません。
自分も現行のたばこの注意書きの野暮さ加減にあきれてしまいます。
これは毒ですなどと宣伝しながら売るってのはどうしたもんかと。
賜るたばこの意味を否定するたばこの現状、日本の文化道徳の衰退に心が痛む今日このごろです。　
単に吸い過ぎで胸が痛いだけだったりして・・（苦笑）
しかし、パイルさんの収集能力のスゴさには脱帽します。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Posted by monco at 2012年01月22日 19:17


おはようございます
渋いっすね～・・・それにしてもいろいろ集めてますな！
以前喫煙者だった頃、吸いかけで置き忘れた煙草の箱を開けると
茶色いボツボツになってましたけどこれはそんな事無いですね。
保存がいいのでしょうか？
そういえば「たばこ」のホーロー看板が物置にあったな～
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Posted by pada at 2012年01月24日 06:26