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2011年04月14日

No.008:強力ワカフラビン錠

ようこそ大日本衛生資料室へ。 本日ご紹介する資料はコチラ・・・


資料No.008:強力ワカフラビン錠
No.008:強力ワカフラビン錠
   品名 : 強力ワカフラビン錠
   製造 : わかもと製薬株式会社
   開発 : 財団法人長尾研究所
   分類 : 胃腸薬(微生物産生V.B2剤)
   年代 : 昭和18年~20年(1943~1945年)
   定価 : 不明
   寸法 : 9.5×6.3×3.2cm(外箱)
   在庫 : 1個

元祖酵母系胃腸薬「わかもと」の姉妹商品「強力ワカフラビン錠」です。

「ビタミンB2(別名:リボフラビン)」が含まれていることから、この商品名になったのだと思います。

「ビタミンB2」は肉類、卵、乳製品、葉物野菜、玄米等に含まれているそうです。
現代の食生活で「ビタミンB2」が不足する恐れが無くなったからでしょうか、
現在「わかもと製薬」から「強力ワカフラビン錠」は販売されていないようです。

「ワカフラビンL」と言う「藤沢薬品工業」の製品がありますが関連性は不明・・・
ちなみに「ワカフラビンL」も2001年に販売中止になってます。

開発を行ったのは「財団法人長尾研究所」の
「斎藤賢道」(大阪帝国大学名誉教授)と「高田亮平」(京都帝国大学教授)の二人。

「財団法人長尾研究所」はカビや酵母の「ジーンバンク」(遺伝子銀行)で現在は存在していないもよう。


製造元の「わかもと製薬株式会社」の沿革は以下の通り。

昭和4年(1929年)
   東京市芝公園に合資会社「栄養と育児の会」を設立。
昭和8年(1933年)
   東京市芝公園に「株式会社栄養と育児の会」を設立。
昭和18年(1943年)
   「わかもと製薬株式会社」に社名変更。



外箱
No.008:強力ワカフラビン錠
No.008:強力ワカフラビン錠
あまり凝ったデザインではないですね。


漢字が「旧字体」で書かれている、いわゆる「旧字体モノ」ですので、
昭和30年以前の品であると推測出来ます。

横書き文字が右から左に書かれている、いわゆる「右書きモノ」ですので、
戦前~戦後直後の品であると推測出来ます。
(表面の文字は左から右に書かれていますが、恐らく英字が含まれる為の処置だと思います)

「わかもと製薬株式会社」名義ですので、昭和18年以降の品であると判断出来ます。

住所に「東京都」と記載されていますので、昭和18年以降の品であると判断出来ます。

営業所の住所に以下の地名が記載されている、いわゆる「植民地モノ」です。

「台北」・・・中華民国(台湾)の首都。明治28~昭和20年(1895~1945年)まで日本が統治。
「京城」・・・日本統治下の朝鮮の都市(現・ソウル市)。
       明治43~昭和20年(1910~1945年)まで日本が統治。
「大連」・・・中国遼寧省の都市。明治38~昭和20年(1905~1945年)まで日本が租借。
「奉天」・・・満州国の都市(現・瀋陽市)。昭和6~20年(1931~1945年)まで日本が実質支配。
「新京」・・・満州国の首都(現・長春市)。昭和7~20年(1932~1945年)まで日本が実質支配。
「北京」・・・中国の首都。昭和12~20年(1937~1945年)まで日本が占領。
「済南」・・・中国山東省の都市。昭和12~20年(1937~1945年)まで日本が占領&実質支配。
「張家口」・・・蒙古聯合自治政府(協日政府)の首都。
        昭和12~20年(1937~1945年)まで協日都市。
「上海」・・・中国の直轄市。昭和12~20年(1937~1945年)まで日本が占領。

収入印紙が貼られていませんので、大正15年以降の品であると判断出来ます。

以上のことから、この品が昭和18~20年の間に製造されたと判断出来ますね。
(「価格統制品」マークがありませんが、ここは一旦無視させて頂きます)



No.008:強力ワカフラビン錠
No.008:強力ワカフラビン錠
物資不足の影響なのか?それとも内容物との相性なのか?
ガラス瓶ではなく珍しい素焼きの瓶になっています。

コルク栓がガッチリ閉まっているので、これ以上中を覗うことは出来ません。



この薬品に関する追加情報をお持ちの方は、
「コメント」または「メッセージを送る」から御教授下さい。

それでは、またのお越しを・・・



【室長日誌】
 パッケージのデザインから戦後の品だと思い込んでいましたが、
 今回記事にする為に詳しく調べてみたところ「植民地モノ」と判明。
 嬉しい誤算と言うヤツですかね?


【関連リンク】
 わかもと製薬ホームページ
 わかもと製薬 - Wikipedia


【旧コメント欄】
 中国統治下の品とは、これは古いですね。
 口の部分はロウ付けか、封印があったんでしょうか?
                    Posted by 物好き at 2011年04月14日 15:51

 こんばんは
 「ワカフラビン」恐るべし!
 よく読めませんが、解毒作用のところに「ニコチン中毒」と読み取れます、
 その下は「重金属中毒」?なにやら恐ろしい感じですね。
 砲丸投げ?のマークは変わりませんね!
                    Posted by pada at 2011年04月14日 21:53


【当資料室の注意事項】
 ●ご紹介する薬品に違法な物は含まれておりません(・・・多分)。
 ●記載されている情報はネットで軽く調べた程度のモノです。
 ●薬の年代特定に関しては『レトロな薬の年代特定法』を参照して下さい。
 ●「旧字体モノ」「右書きモノ」などの「〜モノ」は私が勝手に名付けただけです。
 ●「陸軍衛生材料廠」の品を「陸軍衛生材料」としていますが、私が勝手に呼んでるだけです。
 ●米帝の薬品類は『パイル二等兵の露営日記』にてご紹介致します。


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この記事へのコメント
黒澤明監督の『酔いどれ天使』の南新町マーケットのデカい看板がワカフラビンです。わかもとのネームも見えますのでスポンサーだったんでしょうかね。
Posted by けん at 2019年05月19日 14:46
◎けん様 こんばんは!

当ブログにお越しいただきありがとうございます!
そして返事が遅くなり申し訳ございませんでした(汗)

黒澤作品は時代劇モノはほとんど観ているのですが『酔いどれ天使』は見てませんでしたね。
DVD借りて、件のシーンを確認したいと思います!
Posted by パイル二等兵パイル二等兵 at 2019年06月04日 23:06
 
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