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2012年06月20日

No.042:シッカロール(紙容器)

ようこそ大日本衛生資料室へ。 本日ご紹介する資料はコチラ・・・


資料No.042:シッカロール(紙容器)
No.042:シッカロール(紙容器)
   品名 : シッカロール
   販売 : 株式会社和光堂
   分類 : ベビーパウダー
   年代 : 昭和2年~15年(1927~1940年)
   定価 : 20銭
   寸法 : 7×7×3.5cm
   在庫 : 2個

日本初のベビーパウダー「シッカロール」です。

あの香りは日本人なら誰しも嗅いだことのある思い出の香りなのではないでしょうか?

今でこそ「ベビーパウダー」と言う呼び名が定着していますが、
20年ほど前は「シッカロール」や「天花粉」と言う呼び名が一般的だったような気がします。

「シッカロール」は和光堂の商標登録なのでそれ以外の製造会社のものはそう呼べず、
「天花粉」はキカラスウリのデンプンを使用した日本古来のものなので、
滑石(タルク)とコーンスターチのデンプンを使用した現在のものとは別物です。

ちなみに「シッカロール」は、ラテン語で「乾かす」を表わす「シッカチオ」から名付けられたとのこと。

製造会社である「和光堂」は日本初のベビーパウダー以外にも、
日本初の育児用粉ミルク、日本初のベビーフードも開発しています。


製造元の「和光堂」の沿革は以下の通り。

明治39年(1906年)
   「弘田長」が神田区美土代町に「和光堂薬局」を創業。
大正7年(1918年)
   「株式会社和光堂」に組織変更。
昭和28年(1953年)
   「和光堂(株)」を設立。
平成18年(2006年)
   「アサヒビールグループ」入り。
平成28年(2016年)
   「アサヒグループ食品株式会社」の製造子会社に。



外箱
No.042:シッカロール(紙容器)
No.042:シッカロール(紙容器)
一般的なブリキ製容器ではなく、紙製容器です。
情報源が定かではありませんが、戦時中の物資不足の影響でブリキ製から紙製になったもよう。
それが確かなら、戦時中~戦後直後の品と言うことになります。

母子のデザインが和光堂さんのHPを参考にすると「戦前の洋鬢時代」に相当するので、
戦前の品であることは間違いなさそうです。
※現在デザインの変遷についての記述はHPで見当たりません


漢字が「旧字体」で書かれている、いわゆる「旧字体モノ」ですので、
昭和30年以前の品であると推測出来ます。

「株式会社和光堂」名義ですので、大正7年~昭和28年年の品であると判断出来ます。

「シッカロール」に鉛が含まれていない事を証明するラベルが貼られており、
そこには「東京市」(いわゆる「東京市モノ」)と「昭和2年」の表記がありますので
昭和2年~昭和18年の品であると判断できます。

鉛の検査は、白粉(おしろい)に鉛が含まれていた事に機縁するのでしょうか?
検査を実施した「東京衛生試験所」は昭和22年まで存在した「内務省」の所管の機関。

収入印紙が貼られていませんので、大正15年以降の品であると判断出来ます。

価格単位が「銭」となっていますので、昭和28年以前の品であると判断出来ます。

「価格統制品」マークが押されていませんので、昭和15~21年以外の品であると判断できます。
また戦前の雰囲気を感じますので、昭和15年以前の品であると推測できます。

以上のことから、この品が昭和2~15年に製造されたと判断出来ますね。



残念ながら未開封品の為、中身をご紹介することが出来ません。



この薬品に関する追加情報をお持ちの方は、
「コメント」または「メッセージを送る」から御教授下さい。

それでは、またのお越しを・・・



【室長日誌】
 ここの所ずっと無名の薬品ばかりだったので、久々に有名な品を選びました。
 紙製よりもブリキ製の方が人気が高い気がしますが、レア度で言うと紙製の方が高いかもしれません。
 ベビーパウダー系のデザインは可愛らしいモノばかりで、
 レトロマニアの方々のは全般的に人気のようです。


【関連リンク】
 和光堂ホームページ
 和光堂 - Wikipedia


【当資料室の注意事項】
 ●ご紹介する薬品に違法な物は含まれておりません(・・・多分)。
 ●記載されている情報はネットで軽く調べた程度のモノです。
 ●薬の年代特定に関しては『レトロな薬の年代特定法』を参照して下さい。
 ●「旧字体モノ」「右書きモノ」などの「〜モノ」は私が勝手に名付けただけです。
 ●「陸軍衛生材料廠」の品を「陸軍衛生材料」としていますが、私が勝手に呼んでるだけです。
 ●米帝の薬品類は『パイル二等兵の露営日記』にてご紹介致します。


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