「ツヨール」の後継者「ネオツヨール」です。
「ツヨール」は「ツヨール商会」が販売していた淋病薬で、
大正から昭和初期の新聞広告によく掲載されていました。
この「ネオツヨール」は「ツヨール」の新型なのだと思います。
新聞の掲載から少なくとも明治42年〜昭和9年の間は販売されていたので、
「ネオツヨール」は少なくとも昭和9年以降に販売されたと推測できます。
製造元の「明正製藥株式会社」の沿革については詳細不明ですが、
断片的に分かっていることだけ記載します。
「ツヨール」の製造販売は「ツヨール商会(後の明正製薬株式会社)」なのですが、
本薬剤は製薬会社の記載されている部分が破損しており判読不明です。
本薬剤の住所は「明正製薬」と同じなのですが、
どうも「明正」と書かれているようには見えませんので、
もしかすると社名が更にに変更されていた可能性があります。
ちなみに昭和6年には「明正製薬」の名前に変わっていることが確認できます。
外瓶
個人的に好みである試験管型の薬瓶です。
漢字が「旧字体」で書かれている、いわゆる「旧字体モノ」ですので、
昭和30年以前の品であると推測出来ます。
住所に「東京市」と記載されている、いわゆる「東京市モノ」ですので、
明治22年~昭和18年の品であると判断出来ます。
また「ネオツヨール」は少なくとも昭和9年以降に販売していたと推測しています。
以上のことから、この品が昭和9〜18年に製造されたと判断出来ますね。
残念ながら未開封品の為、中身をご紹介することが出来ませんが、
ラベルがや欠損している部分からまん丸い黒い錠剤が確認できます。
この薬品に関する追加情報をお持ちの方は、
「コメント」または「メッセージを送る」から御教授下さい。
それでは、またのお越しを・・・
【室長日誌】
肝心な製薬会社名が欠損しているのは痛いですね。
断片的な情報をかき集めるだけで1時間は費やしてしまいました。
【当資料室の注意事項】
●ご紹介する薬品に違法な物は含まれておりません(・・・多分)。
●記載されている情報はネットで軽く調べた程度のモノです。
●薬の年代特定に関しては『
レトロな薬の年代特定法』を参照して下さい。
●「旧字体モノ」「右書きモノ」などの「〜モノ」は私が勝手に名付けただけです。
●「陸軍衛生材料廠」の品を「陸軍衛生材料」としていますが、私が勝手に呼んでるだけです。
●米帝の薬品類は『
パイル二等兵の露営日記』にてご紹介致します。