胃酸過多の軍人さん御用達「重曹錠」です。
「重曹」は正確は「炭酸水素ナトリウム」と呼ばれ、
医薬品としては「胃酸過多」に対する制酸剤として使われるとのこと。
ただし応急措置的なもので根本的な治療薬ではないようです。
ストレスで「胃酸過多」になった日本軍兵士たちが、
とりあえず胃痛を和らげるために使用したのでしょう。
【201年12月25日追記】 情報提供:移動野戦病院殿
重曹錠について
当時陸軍病院では水100mlに対し2錠入れて撹拌(かき混ぜる)する。
1錠の含有が1gなので2錠必要。
効能効果については主に含嗽剤(うがい薬)として使用された。
又去痰剤(粘液溶解作用があるので)としても使用された。
更にこの重曹液にグリセリン5mlを混和して重曹吸入液としても利用出来、
当時の吸入器にて主に風邪等の症状の去痰剤等にとして活用された。
間違っても内服は厳禁である。
残念ながら製造元は現時点では不明である。
尚包装に内用と記されているが、
当病院では人命尊重のリスクが大きいので内服薬として使用はしていない。
重患が多いので。
内用に用いるか否かは各陸軍病院軍医達の判断に委ねられている。
現在の病院でもそれは同じ。以上
本文では「胃酸過多」に対する制酸剤と書きましたが、
「うがい薬」や「去痰剤」としての利用が主だったようですね。
内服はリスクが大きいそうで、今も昔も各病院の判断のようですね。
情報提供ありがとうございます。
管理元の「陸軍衛生材料廠」についてはこちらを参照⇒『
陸軍衛生材料廠』
外瓶
戦前の素朴な造りのガラス瓶ですね。 ラムネ瓶の様な爽やかな色味が付いています。
1瓶に10個入りの紙包が50個、つまり500錠入っています。
戦時中にも係わらず、横書きの文字が現在と同じ左から右に書かれています。
何故か「陸軍衛生材料」は、当時主流だった右から左に書く「右書きモノ」ではないのです。
軍用品ですので、戦前の品であると判断出来ます。
製造年のスタンプが押されているのですが、残念ながら判読不能。
以上のことから、この品が戦前に製造されたと判断出来ますね。
紙包
紙包みに10錠が入っています。
残念ながら未開封品の為、中身をご紹介することが出来ませんが、
恐らく白い錠剤が入っているのでしょう。
現在当資料室の「重曹錠」の在庫数は1瓶(500個)+20包(200)個となっております。
この薬品に関する追加情報をお持ちの方は、
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それでは、またのお越しを・・・
【室長日誌】
「陸軍衛生材料」の中でもなかなか珍しいガラス瓶入りです。
次回からも暫く「陸軍衛生材料」をUP予定です。
【当資料室の注意事項】
●ご紹介する薬品に違法な物は含まれておりません(・・・多分)。
●記載されている情報はネットで軽く調べた程度のモノです。
●薬の年代特定に関しては『
レトロな薬の年代特定法』を参照して下さい。
●「旧字体モノ」「右書きモノ」などの「〜モノ」は私が勝手に名付けただけです。
●「陸軍衛生材料廠」の品を「陸軍衛生材料」としていますが、私が勝手に呼んでるだけです。
●米帝の薬品類は『
パイル二等兵の露営日記』にてご紹介致します。