「小林薬品」の謎を解く「小林タムシチンキ」です。
「小林タムシチンキ」は明治27年(1894年)から現在まで続く、超ロングセラー商品ですね。
今まで謎の製薬会社として登場してきた「小林薬品」・・・
同社製「小林タムシチンキ」の存在が確認されたことにより、
「小林薬品=小林大薬房(現・小林製薬)」であると判明致しました。
「小林薬品」は「小林大薬房」の製薬部門を担う子会社だったのではないでしょうか?
一応「小林製薬株式会社」の沿革を・・・
明治19年(1886年)
「小林忠兵衛」(創業者)が名古屋市で雑貨屋「合名会社小林盛大堂」を設立。
明治27年(1894年)
製薬業に進出。
大正元年(1912年)
大阪市東区に「合資会社小林大薬房」を設立。
大正8年(1919年)
「合名会社小林盛大堂」と「合資会社小林大薬房」を合併し、
大阪市西成区に「株式会社小林大薬房」を創立。
昭和15年(1940年)
「株式会社小林大薬房」から製剤部門を分離し、「小林製薬株式会社」を設立。
昭和31年(1956年)
「株式会社小林大薬房」と「小林製薬株式会社」を合併し、社名を「小林製薬株式会社」に改称。
外箱
全体的に凝ったデザインで、気に入っております。
漢字が「旧字体」で書かれている、いわゆる「旧字体モノ」ですので、
昭和30年以前の品であると推測出来ます。
横書き文字が右から左に書かれている、いわゆる「右書きモノ」ですので、
戦前~戦後直後の品であると推測出来ます。
収入印紙が貼られていませんので、大正15年以降の品であると判断出来ます。
「マル公」(公定価格)が押されている価格統制品、いわゆる「統制品モノ」ですので、
昭和15~27年の品であると判断出来ます。
それにしても定価50円・・・この時代にしてはかなり高価なのではないでしょうか?
中身
残念ながら薬液は蒸発しており何も残っていません。
蓋と刷毛の毛先は劣化が激しく崩壊寸前です・・・ (蓋の一部を迂闊にも壊してしまいました)
瓶のラベルは浮き彫り調になっていますが上手く撮影出来ませんでした。
説明書 ※画像をクリックすると拡大します
中国語表記がある、いわゆる「植民地モノ」ですので、
台湾統治時代の明治28年~昭和20年の品、もしくは満州国時代の昭和7~20年の品、
もしくは北京占領時代の昭和12~20年(「北京」と言う地名は昭和15年から)の
品であると判断出来ます。
ハングル表記がある、いわゆる「植民地モノ」ですので、
明治43年~昭和20年(朝鮮統治)の品であると判断出来ます。
以上のことから、この品が昭和15~20年に製造されたと判断出来ますね。
この薬品に関する追加情報をお持ちの方は、
「コメント」または「メッセージを送る」から御教授下さい。
それでは、またのお越しを・・・
【室長日誌】
やっと「小林薬品」の氏素性が分かってきました。
現在「小林製薬」に質問メールを出していますので、回答頂ければ全ての謎が解けるかもしれません。
【関連リンク】
小林製薬ホームページ
小林製薬 - Wikipedia
【旧コメント欄】
タムシチンキ、高校生の時にお世話になりました。効くけどしみたなー!
話は変わり、今日リサイクルショップへ物好き品を見つけに行くと
「薬用モモココ洗粉」のズタ袋を入手しました。
オーナーメールへ、送付先を連絡お願いします。
Posted by 物好き at 2011年06月04日 16:59
説明書の画像でどんな事が書いてあるのか興味があるのですが小さすぎて読めません、
他の薬品のもそうですが残念です・・・
Posted by -10 at 2011年07月13日 08:39
サムネ他に外箱の注意書きや新聞の広告等の文字の書いてある部分も同様に
クリックで画像が大きくなれば更にいいと思うのですが如何でしょうか。
Posted by -10 at 2011年07月13日 20:19
突然ですが、こちら岩手県の狐洞書房と申します。インターネットショップで古書類を扱っております。
つきましては、大正15年の「タムシチンキ・小林大薬房」の絵はがきを発見いたしました。
ご所要でしたら画像を送信いたします。よろしくお願いします。
Posted by 狐洞書房 at 2012年10月09日 23:56
【当資料室の注意事項】
●ご紹介する薬品に違法な物は含まれておりません(・・・多分)。
●記載されている情報はネットで軽く調べた程度のモノです。
●薬の年代特定に関しては『
レトロな薬の年代特定法』を参照して下さい。
●「旧字体モノ」「右書きモノ」などの「〜モノ」は私が勝手に名付けただけです。
●「陸軍衛生材料廠」の品を「陸軍衛生材料」としていますが、私が勝手に呼んでるだけです。
●米帝の薬品類は『
パイル二等兵の露営日記』にてご紹介致します。