陸軍衛生材料廠

パイル二等兵

2016年12月28日 12:00

ようこそ大日本衛生資料室へ。

当方が力を入れているジャンルの一つが旧日本軍の医薬品です。
その医薬品を管理していた「陸軍衛生材料廠」についての情報が少ない為、
ここに情報を記載していこうと思います。

新たな情報を入手しましたら追記していきます。
【陸軍衛生材料廠の沿革】

明治29年(1896年)以前
   「陸軍省」管轄の部署として設置される。
昭和20年(1945年)
   「陸軍省」が「第一復員省」に改組。
昭和21年(1946年)
   東京都世田谷区にあった「本廠」跡に「国立衛生試験所」が移転。

「陸軍衛生材料廠」の設立年は不明。
当方が知りうる公文書で「陸軍衛生材料廠」の名が確認できるものが明治29年なので、、
それ以前に設立したと判断できる。

「陸軍衛生材料廠」の廃止年は不明。
昭和20年に「陸軍省」が「第一復員省」に改組された時点で廃止されていたのかもしれない。



【陸軍衛生材料廠の所在地】

「陸軍衛生材料本廠」は現在の東京都世田谷区上用賀1-18-1にあった。

「陸軍衛生材料支廠」は各師団の司令部の所在地、と定められていた。
師団は最も多い時で200を超えていたが、その全てに支廠があったかは不明。
明治期に設立された師団には全て支廠があったと推測される。



【陸軍衛生材料廠の役割】

陸軍で使用する「衛生材料」「獣医材料」及び「蹄鉄」の
購買・製造・貯蔵・修理・支給・交換・試験を行う。

昭和15年以降は「陸軍獣医資材廠」の設立に伴い、
「獣医材料」及び「蹄鉄」が「陸軍衛生材料廠」の管理から外れる。



【陸軍獣医資材廠】

昭和15年頃に「陸軍衛生材料廠」から分離独立。
「本廠」(東京)並びに「支廠」が存在するが詳細は不明。

陸軍で使用する「獣医材料」及び「蹄鉄」の購買・製造・貯蔵・修理・支給・交換・試験を行う。




【その他】

一般の薬品類の規格が品質規格書「日本薬局方」に基づいているのに対し、
「陸軍衛生材料廠」管理の薬品類の規格は「陸軍薬局方」に基づいている。

医薬品以外の紙・布・ゴム製品などは「衛生材料消耗品」と呼ばれ、
その規格は「衛生材料消耗品解説」に基づいている。



その他に陸軍衛生材料廠に関する情報をご存知の方は、
「コメント」または「メッセージを送る」から御教授下さい。

それでは、またのお越しを・・・


【当資料室の注意事項】
 ●ご紹介する薬品に違法な物は含まれておりません(・・・多分)。
 ●記載されている情報はネットで軽く調べた程度のモノです。
 ●薬の年代特定に関しては『レトロな薬の年代特定法』を参照して下さい。
 ●「旧字体モノ」「右書きモノ」などの「〜モノ」は私が勝手に名付けただけです。
 ●「陸軍衛生材料廠」の品を「陸軍衛生材料」としていますが、私が勝手に呼んでるだけです。
 ●米帝の薬品類は『パイル二等兵の露営日記』にてご紹介致します。
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