No.041:新生

パイル二等兵

2012年06月14日 12:00

ようこそ大日本衛生資料室へ。 本日ご紹介する資料はコチラ・・・


資料No.041:新生

   品名 : 新生
   販売 : 新生化学研究所
   分類 : 日用品(防水糊)
   年代 : 昭和15~21年(1940~1946年)
   定価 : 35銭
   寸法 : 9×6.2×1.9cm
   在庫 : 5個
薬じゃないです・・・洗濯糊です・・・「新生」です。

私は洗濯糊を使ったことがありません。 そもそも最近使用されてるのでしょうか?

この「新生」は「専売特許」を出願しているもよう。 (つまり取得はしていない?)
何についての専売特許を取ろうとしているのでしょうか? (防水になるという点?)

ちなみに「専売特許」は現在の「特許」の旧称です。
いつ名称が変わったのかが分かれば製造年が絞れるのですが、残念ながら判明しませんでした。


製造元の「新生化学研究所」の沿革については詳細不明。



外箱


箱裏面の特徴の欄に「国策順応理想品」と書かれているのが、いかにも戦時中と言った感じがありますね。


漢字が「旧字体」で書かれている、いわゆる「旧字体モノ」ですので、
昭和30年以前の品であると推測出来ます。

横書き文字が右から左に書かれている、いわゆる「右書きモノ」ですので、
戦前~戦後直後の品であると推測出来ます。

収入印紙が貼られていませんので、大正15年以降の品であると判断出来ます。

価格単位が「銭」となっていますので、昭和28年以前の品であると判断出来ます。

「マル停」(停止価格)が押されている価格統制品、いわゆる「統制品モノ」ですので、
昭和15~21年の品であると判断出来ます。

以上のことから、この品が昭和15~21年に製造されたと判断出来ますね。



中身

元々は白い粉状のモノだったのでしょうが、現在では固着してます。



説明書  ※画像をクリックすると拡大します


外箱には特筆すべき点はありませんでしたが、説明書にはイラストが描かれていてなかなか興味深いです。

4つのイラストそれぞれが違う絵柄なので、4人の作家さんの手によるものでしょう。
1枚目のイラストは「つげ義春」さん風で個人的に好きです。



この薬品に関する追加情報をお持ちの方は、
「コメント」または「メッセージを送る」から御教授下さい。

それでは、またのお越しを・・・



【室長日誌】
 学生時代、図書館に「つげ義春」さんのハードカバの短編集があり、
 何の気なしに読んだ「ねじ式」に衝撃を受けた思い出があります。
 私はそれ以来、大の「つげファン」です。
 今回の記事とはほとんど関係の無い話でしたね・・・


【関連リンク】
 つげ義春 - Wikipedia


【旧コメント欄】
 ごぶさたです!
 2枚目左下の、上流階級っぽい人たちの気取った感じがいいです(笑)
 それにしても、どうして複数人にイラストを発注したのか・・・謎ですね
                    Posted by Yotazo at 2012年06月14日 23:08


【当資料室の注意事項】
 ●ご紹介する薬品に違法な物は含まれておりません(・・・多分)。
 ●記載されている情報はネットで軽く調べた程度のモノです。
 ●薬の年代特定に関しては『レトロな薬の年代特定法』を参照して下さい。
 ●「旧字体モノ」「右書きモノ」などの「〜モノ」は私が勝手に名付けただけです。
 ●「陸軍衛生材料廠」の品を「陸軍衛生材料」としていますが、私が勝手に呼んでるだけです。
 ●米帝の薬品類は『パイル二等兵の露営日記』にてご紹介致します。
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